糀谷駅を出て大きな信号を渡ると正面に見える「青い鳥」と書かれたレトロな看板。
糀谷商店街の入口に位置し、同時に環八に面しているこの玩具店は1957年から64年間もの歳月、この街の変化を見守ってきた。
~ 64年の歴史に幕 ~
糀谷駅を出て大きな信号を渡ると正面に見える「青い鳥」と書かれたレトロな看板。
糀谷商店街の入口に位置し、同時に環八に面しているこの玩具店は1957年から64年間もの歳月、この街の変化を見守ってきた。
そんな青い鳥が5月5日(予定)、長く続いた歴史に幕を閉じようとしている。
閉店の理由は創業者が93歳と高齢になり事業の継続が困難になったことや、建物の老朽化、時代に伴う経営の厳しさなど…複合的なものらしいが、それにしても同じ場所に64年間存在し続けるということは、並大抵のことではなかっただろう。
2世代3世代に渡りこの店舗にお世話になったという利用客もいるようで、人の成長にも街の成長にも寄り添ってきた青い鳥の閉店は、当然ながら地元の人達にも衝撃を与えている。
SNS等では「子供たちの幼稚園グッズをここで揃えました…無くなってしまうなんて…」と驚嘆する声や、「小さい頃によくここでおもちゃを買ってもらっていた。思い出の場所が無くなるのは寂しい。」と残念そうに振り返る声、「蒲田から空港行きのバスに乗ると『おもちゃの店青い鳥』とアナウンスが入るんだよね…」と車内からの風景を思い出す声など…
閉店を惜しむ様々なコメントが寄せられ、改めて糀谷の顔のような存在だったのだなと感じた。
青い鳥は現在2階までを店舗として開業いており、1階には玩具や数台のアーケードゲームがあり、じゃんけんマシーンなど懐かしいものも設置されている。
その横にある子供が玩具に触れることができるスペースでは、子供たちが足を止めて遊んでいる姿が印象的だった。
2階には文房具やお弁当箱などの日用品を中心に、レジの横には駄菓子や、お友達へのプレゼントにもちょうどいいプチギフトの詰め合わせ等が販売されている。
近くに幼稚園や学校も多いことから年度の入れ替わり時期などは特に重宝されており、近所の親子が集まる地域密着型の店舗なのだ。
青い鳥も、かつては3階まであったことをご存じだろうか。
1976年(昭和51年)に拡大されてから暫くの間、青い鳥の3階ではゲームソフトやエアガンなどを販売していた。
ファミコンソフトを選んで30分100円で遊ばせてくれるというユニークなサービスもあったようだ。
たくさんの子供たちが集ってファミコンを囲む姿は、とても賑やかで楽しい空間だったのだろうと、想像しただけで昔ながらの懐かしく温かい情景が浮かんでくる。
閉店後のビル跡利用については「建て替え」あるいは「既存の状態での賃貸」の両案を検討しているとの事で、まだどうなるかわからないというのが現状だ。
ただ一つわかっているのは、たくさんのこども達の「ドキドキ」や「ワクワク」が詰まったこの玩具店の歴史が、こどもの日に終止符を打つという事。
「キン消しを買った」「けん玉を買った」「ルービックキューブを買った」「クリスマスここに連れてきてもらうのが楽しみだった」…
青い声を懐かしく振り返る「かつてのこども達」の声は暫く止まりそうにない…。
【青い鳥】
営業時間…11:00-17:30
住所…〒144-0047 東京都大田区萩中2丁目1-24
https://goo.gl/maps/WimQLtnSGXHHKphq8
【閉店に伴うお報せはこちら】
https://aoitori-next.com/
千葉真理
気になるお店や楽しそうなイベントがあると、子乗せ自転車でどこまでも突っ走る一児の母。 この猪突猛進な特性を生かし、まちかどニュースを担当。 出身は東京都の端である江戸川区。 結婚を機にまたまた東京都の端である大田区へ。 ラーメンと餃子とお酒が好物なので蒲田に出没する率が高いです。