梅澤フミオ|蒲田|かまたま人物録

2020.11.20

梅澤氏の蒲田歴は、優に30年を越える。
蒲田で育ち蒲田に住み蒲田で商いをする梅澤さんは、蒲田のツウなら誰でも知っているSHOT BAR ふくろうのオーナー。蒲田でカウンターにたって26年の間、大きく変化をし続けるこの蒲田を、人間交差点ともいうべきふくろうの店内から見てきた。

例えば、
911は営業中に起きた。何が起きているのかTVのある近隣のお店に行き、凄まじい映像を見て事の次第を知ったという。
東北大震災も経験した。棚に並ぶ数々の瓶は、奇跡的に1本だけの落下にとどまった。
去年、系列店がそれぞれ独立した。新しい幕開けの中、今、コロナ禍にある。

自粛期間中は、デリバリーも挑戦した。
キューバサンド』が好評でお客様と一緒に新様式を楽しんで乗り越えた。

蒲田という土地柄か、多様な客層に触れている。店員とお客様の心の距離の近さが、他区にはない良さだという。

そうやってこの街を見てこの街で過ごしてきた中で、もう一つ大切に取り組んでいる事がある。

紙冊子を長らく持ち歩いたのでしわになってます、すみません。

蒲田駅をはさんで東口も西口も垣根を越えて有志メンバーで始めたこの取り組みも早10年になる。加盟店舗は、100店舗にものぼり、蒲田の秋の恒例行事となりつつある。

今年は残念ながら全面開催が難しい状況だが、この週末にふくろう店内で落語家さんの寄席が聞けるイベントをリアル&オンライン同時開催するなど、今だからできることを模索し楽しみながら最善を尽くす。

この階段を上って右手の入り口から店内に

梅澤氏はお店に立つときのモットーとして『雰囲気がよく、どなたでも気軽に入れるバー』であるよう心がけているという。記者が取材に伺ったこの日も、マスク姿ではあるが梅澤さんの笑顔や気さくさに触れ、いつも以上に味わい深くお酒を楽しませて頂いた。

いいことがあった日も、そうじゃない日も、
梅澤さんが居るから、立ち寄りたいお店。
人情の町、蒲田。
これからの蒲田も、彼無しでは語れないだろう。